【100億円マニュアルコラム9】ロングセラー商品を作るためのパフォーマンス開発【完了】

商品パフォーマンス開発のポイント

次の4章でテスト品(試作品)を実際に使ってもらうアンケート調査のやり方をお話しますが、ここでは、どのように商品パフォーマンスの開発をおこなってテスト品(試作品)を作るかについてお話します。

商品パフォーマンス開発をする上で忘れてはいけないことは、お客様が買う前に商品コンセプトから期待した満足を満たすように商品化することです。

お客様は商品に対して期待したことを基準にして、買ったあとの商品を評価します。

いうまでもなく期待通りであれば、満足して、また買いたいとなり、反対に期待はずれであれば、もうに二度と買わないとなります。

100億ロケット・マーケティングでは、3ヶ月から4ヶ月おきに再購入される商品を作って売上を着実に積み上げていきますので、再購入が起きるリピート商品を作らなければいけません。

ですから、商品パフォーマンス開発は、初回購入率が高いことを確認した商品コンセプトを過不足なく具現化することが大事なポイントとなります。

では具体的な商品パフォーマンス開発のやり方をお話しましょう。

 

 

設計品質づくり

まず開発メンバー全員で、設計品質記述書を作ります。

設計品質記述書は、商品コンセプトに応じて過不足なく商品パフォーマンスを具現化するために、どのような品質特性をどの程度具現化する必要があるかを明確にするために作ります。そしてこれを元にして、技術者や製造担当者と話し合い、テスト品を作ります。

次ページの図31は、1粒満腹菓子の設計品質記述書です。まず図31にある項目の品質特性とは、商品コンセプトの顧客に与える効用・便益を実現するための品質特性、つまり商品の機能や状態、構造のことです。1粒満腹菓子では、商品コンセプトのアンケート結果から、顧客に与える効用・便益を太る心配がなく、美味しく一粒で満腹になれば、満腹感が持続できるに改良しました。どのように分析してどのように改良したかは、3章の商品の魅力分析のところで詳しく説明しました。

この太る心配がなく、美味しく一粒で満腹になれて、満腹感が持続できるという顧客に与える効用・便益を具現化するために、開発メンバー全員で話し合って、求められる品質特性を一枚の紙に書き出します。

この段階では、まだ設計品質記述書には記入しないで、白紙の紙に書き出してください。

 

次に書き出した品質特性を、

必須条件

魅力条件

どちらでもない不明

の3つに分けます。

必須条件(MUST)とは、顧客に与える効用・便益の具現化に不可欠な品質特製のことで、必須条件(MUST)が具現化できなければ、お客様に期待はずれと評価され、再購入が起きない商品となってしまいます。

2つ目の魅力条件WANTとは、顧客が与える効用・便益の具体化にあれば望ましい品質特性のことです。

たくさんの魅力条件WANTを実現しようとすると、コストがかかり納期も遅くなるので、最小限にすべきです。

3つ目のどちらでもない不明は、必須条件か魅力条件下の見極めが難しいものを、どちらでもない不明に分類し、今後の課題とします。

以上3つに分類して、必須条件だけの具現化でも、競合が参入しにくいと考えられる場合は、必須条件岳を満たす商品化で大丈夫です。

逆に必須条件だけでは不十分と考えられる場合は、魅力条件を含めて商品化します。ここで重要なことは、必須条件の品質特性が、本当に商品コンセプトの魅力を具現化するものになっているかということです。発売前の商品コンセプトのアンケート調査では評価がたかかったのに、発売してみたらお客様の満足度が低いという商品は、必須条件の選択が間違っていたか、必須j表見が具現化できていなかったかのいずれかです。

さらに注意が必要なのは、この段階でコストを最優先に考えると、商品パフォーマンスが落ちて、再購入が起きない商品となってしまうことです。

一般に商品がヒットすれば、量産できるようになり、その段階でコストダウンをはかることができます、この段階では、コストダウンよりお客様の期待と満足を最優先に考える必要があります。

1粒満腹菓子では、顧客に与える効用・便益の太る心配がなく美味しく1粒で満腹になれて、満腹感が持続できるを実現するために、開発メンバーは、次の7つの必須条件と4つの魅力条件を考えました。

必須条件(MUST)

満腹中枢を刺激する

いに長く成分が留まる

口に入れて噛むだけの手軽さで食べられる

口に入れて噛むと本物の美味しい味

口にれると歯応えが美味しい

低糖質(1個あたり3グラム)

低カロリー

 

魅力条件(WANT)

満腹中枢を刺激する成分、および、胃で膨らむ成分は、植物由来

6個入り

個包装

役半日、満腹が続くタイプもある

 

次に必須条件と魅力条件を具現化するための手段アイデアを考えます。手段アイデアは、品質特性ごとに、そのためにどうするをキーワードにして、例えばこううい手段アイデアが考えられるというものを書き出します。

手段アイデアを考える目的は技術者や製造担当者がみて、イメージしやすいものにすることです。

考えてもアイデアが思いつかない場合は、?マークを記入しておきます。

1粒満腹菓子で言えば、例えば必須条件に、胃に長く成分が留まるを具現化するために、こんにゃくいもなどに多く含まれるこんにゃくまんなんを使うというアイデアが案としてあがりました。

なた必須条件(MUST)の満腹中枢を刺激するについては、具現化するための技術的なアイデアが分からず?マークをつけています。

このようにして設計品質記述書をつくりましたら、技術者や製造担当者と、この記述書に基づいて打ち合わせを行い、具体的にどの材料をどのぐらいの分量を使って具現化するかを決め、テスト品の制作にとりかかってもらいます。

 

まず小規模で使用テスト実施

そしてテスト品ができましたら、小規模(最低10人)で使用テストを行って、設計品質記述書で決めた品質特性が具現化されているかどうかを調べます。

実際のところ、テスト品を作ってみれば、必ず改良点が見つかります。特に新カテゴリーの商品の場合、最初に出てきたテスト品が完璧であることは稀です。ですから小規模で使用テストを行い、改良すべき点は全て改良して、そのあとで規模を広げてアンケート調査を行います。そのための小規模の使用テストなのです。ところで、使用テストをやってもらう場所は、商品が実際に使われる場所で行ってください。自宅で使う商品であれば自宅で、会社で使う商品であれば会社で使ってもらって評価してもらいます。

私のこれまでの経験から言えば、この使用テストの段階が最初の壁になり、発売スケジュールが狂いはじめることが多く、開発担当者は、いついつまでに新商品を出すという期日を与えられているので、この段階で精神的にも追い詰められます。

しかし安易に妥協して中途半端な商品を出しても、廃棄の山を作るだけで、売上100億円には届きません。開発担当者はこの段階で立ち止まって、新商品を作る目的を問い直す必要があります。単に新商品を期日までにつくることが自分たちの目的なのか、という問いです。

新商品を期日までにつくることが目的であれば、売れるかどうかは売ってみないとわからないという論法で商品づくりをしてもいいでしょう。しかし梅沢式の売れる商品づくりはそのような商品づくりとはまったく違うものです。

梅沢式はお客様は買う前と買ったあとの二度評価する

その二度の評価で高く評価していただく商品づくりです。

お客様に満足していただける商品に仕上げるには時間がかかりますが、愚直にやるべきことをやることが結果的に売上100億円への近道となります。

 

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