【100億円マニュアル18】4.当たる広告を最速で見つけだす法【完了】

広告の質的仮説を立てるツール

最速で広告投資を回収し、再投資をするには、当たる広告を最速で見つけだす必要があります。本章で紹介する、広告表現検討表は、当たる広告(クリエイティブ)と媒体を素早く見つけるツールで主に広告担当者に使っていただきます。

この広告表現検討表には主に経営者や販売責任者に使っていただく、広告投資検討表と同じ項目が入っているので、広告担当者が広告のことで経営者と打ち合わせするときに、こおツールを使えば、経営者と同じ用語を使って、報告・相談できます。

さらに広告担当者が広告代理店に仕事を依頼するときも、広告表現検討表をもとに説明すれば、やりたいことが明確に伝わるでしょう。

つまり経営者や販売責任者に主に使っていただく、広告投資検討表と、主に広告担当者に使っていただく、広告表現検討表の2つのツールを使って、会社で広告投資のPDCAを回します。

なお、広告表現検討表も、広告投資検討表のシミュレーションと同じように、商品ごとにエクセルで作っていただいます。

自社商品で、広告表現検討表を作成するときは、ダウンロードして使ってみてください。

 

広告表現検討表の構成

ではさっそく、巻末の折込の図103広告表現検討表の一例を広げてみてください。上の図104は折り込み図103の項目部分を抜き出した図です。ご覧いただくとわかりますが、広告表現検討表は仮説と結果検証の大きく左右2つの部分に分かれています。

仮説と結果検証部分に入っている項目は、前章でお話しした、広告投資検討表の項目とまったく同じ項目が入っています。

広告投資検討表にはない項目は、1番左端の

①項番

②広告番号

の2つです。

仮説と結果検証部分に入る項目については、前章で詳しく述べましたので、本章では項番と広告番号を説明します。

 

項番と広告番号

まず項番とは、広告に使うクリエイティブごとに割り振られた番号のことです。言葉で説明するより目でみていただいたほうが早いので、巻頭折り込みの図105をみてください。図105には、EC広告に使う、にんにく卵黄というサプリメントのランディングページが9つ並んでいます。

一番左端のランディングページLPが項番1で左から右へ順番に項番がふられ、一番右端のランディングページが項番9となっています。

次に項番の下に広告番号が明記されています。

「広告番号」とは、広告の要素と媒体を組み合わせて作る番号のことです。例えば図105の項番1の下に広告暗号A1B1C1が明記されています。

A1B1C1のAとはお客様が一番一に目にする画面ファーストビューFVを意味します。そしてBとは、嬉しいお便りというコンテンツのこと、Cは媒体を意味しています。

さらにA1の1とはファーストビューFVの候補1の国産原料を意味します。

前ページの図106にあるとおり、ファーストビューFVには、国産原料と、原料のこだわりの2つの候補があり、嬉しいお便りにはあり、なしの2つの候補が、そして4つの候補があります。

このようにアルファベットと数字で表したクリエイティブ候補と媒体候補を組み合わせて広告番号を作ります。

そしてこの広告番号ごとにテスト広告を行って、

どの広告番号がもっともCPOが低いか

を特定してきます。

次に巻頭折り込み図105で広告番号が示すランディングページをみてみましょう。図105にある項番1の広告番号A1B1C1のランディングページをみてください。広告番号のA1B1C1が示す内容は次の通りです。

A1はファーストビュー・国産原料を示したもの

B1は嬉しいお便り・あり

C1は媒体・ヤフーインフィード広告

図105の写真が小さくてわかりづらいですが、項番1のファーストビューFVには、国産原料が表示され、ランディングページの下の方に嬉しいお便りが表示されています。

つまり広告番号A1B1C1とは、項番1のランディングページを使って、ヤフーインフィード広告を行うことを表します。

ところで、広告表現検討表に似たツールで、ABテストがありますが、広告表現検討表はABテストと違って、クリエイティブと媒体の想定するパターンを同時にテストします。それによって、広告時期や文言の組み合わせ、また媒体の差によって生じるテストの誤差をなくすことができます。

つまりABテストよりも正確に、成果の出る、クリエイティブと媒体の組み合わせを見つけることができるのです。

また広告表現検討表は、アルファベットと数字の組み合わせの数を増やせば、さらに複雑な繰り合わせのクリエイティブと媒体の反応を調べられる点が、ABテストと大きく違ってきます。

 

広告表現検討表で仮説を立てる

次に広告表現検討表の仮説部分を説明しましょう。上の図107は、巻頭折込の図103広告表現検討表の一例の仮説部分をクローズアップしたものです。

この広告表現検討表の仮説部分は、主に広告担当者が広告をする前に、広告番号ごとに、集客できる新規顧客数を予想して入力してください。他の入力項目である購買単価と粗利駅率と顧客回転数には広告投資検討表と同じ数字を入れてください。

 

広告表現検討表で広告の結果を検証する

次に広告の結果を広告表現検討表で検証します。次ページの図108は、巻末折込の図103広告表現検討表の一例の結果検証部分をクローズアップしたものです。広告番号ごとに広告を実施したあと、集客できた新規客の数がわかります。

その数字を広告表現検討表の結果検証部分の項目、新規顧客数のところに入力してください。その他の入力項目である購買単価や粗利益率、顧客回転数は、仮説で入力した数字と同じ数字を入れましょう。

入力項目に数字を入れると、CPOと年間採算性の数字が自動計算で表示されます。

次に表示された年間採算性の数字を大きい順にエクセルの並び替え機能を使って前列並び替えます。この並び替えの作業を行ったものが、次のページの図109となります。

図の中で文字が朱色になっている部分が、年間採算性が高い、つまりCPOが低い上位4つの広告番号の結果です。

 

CPOが低いクリエイティブと媒体の組み合わせを見つける

年間採算性の数字を大きい順に並び替えた表をみて、上位4つの広告番号の中身を評価していきます。まず図109を見れば、項番3・2・1・6の順に、年間採算性が高く、CPOが低くなっています。

なお、項番3・2・1・6のランディングページを確認したい方は、巻頭折り込み図105をご覧ください。次に年間採算性が高く、CPOが低い上位4つの広告番号の組み合わせをみてみましょう。

次ページの図110は、上位4つの広告暗号を示しています。この4つの広告番号の組み合わせをみていくと、圧倒的にA1とB1が含まれるものが反応が良いことがわかります。ついで、C3とC2も反応がよく、反対にC4とB2は反応が悪いです。

この例からは、次に広告をするならば、A1B1C3の組み合わせが良いことがわかります。このように上位のCPOが低い広告番号の組み合わせを検証すれば、次に広告をするならば、どのような組み合わせでやれば良いかがわかります。

そしてその組み合わせでさらに投資していけば、投資金額を増やしても、採算が取れる可能性が高くなります。

このように広告担当者が広告する前に、仮説を立て、その仮説を検証することで、広告代理店とともに広告のPDCAを回していくことができるようになります。

 

新聞折込チラシ広告

次に新聞折込チラシ広告で、広告表現検討表の使い方を説明しましょう。まず巻末折込の図111を広げてください。図111は新聞折込チラシ広告で使うチラシ(表と裏)が7種類並んでいます。そして7種類のチラシにそれぞれ項番と広告番号がふられています

広告番号の内容は、上の図112にある通り、キャッチコピーの候補が2つ、商品の魅力を小さな文字で長めの文章で伝えるボディコピーの候補が2つ、媒体の候補が2つあります。

ちなみに、この事例では、クリエイティブの調査内容が、キャッチコピーとボディコピーとなっていますが、それが写真や紙面のレイアウトであってもかまいません。

そして広告番号ごとにテスト広告を行うことは、EC広告と同じです。テスト広告はまず小部数で行います。

例えば図111の事例でいうと朝日新聞を媒体としてテストするチラシは、広告番号1、4、5、7の4種類のチラシ、毎日新聞を媒体としてテストするチラシは、広告番号2、3、6の3種類です。

この7種類のチラシを同じ数だけ小部数印刷して、同じ日に同一エリアに配布します。

その結果を見れば、広告番号ごとにCPOがわかり、さらに広告番号の組み合わせを検証すれば、どのくみわ汗が良いかがわかります。

次に上位2つの組み合わせを部数を10倍にして同じ日に同一エリアに配布します。

その結果を検証して、最終的に最もCPOが低い組み合わせを特定できたら、その組み合わせで、全国のエリアに配布します。このように、少ない部数から初めてじょじょに部数を増やしていくというやり方で広告を行います。

一つ注意が必要なのは、同じクリエイティブを何十回も使っていくと、反応が落ちてきますので、クリエイティブの改良が必要になります。

そういうことに備えて、例えば、大部数でチラシ広告をする時に、配布部数の5%は改良した新しいクリエイティブを使ってテストするようにします。そうすれば、改良したクリエイティブとこれまで使ってきたクリエイティブを比較することができます。

 

テレビ広告も原則は同じ

テレビ広告はEC広告や新聞折込チラシと違って、放送枠を取らなければいけないという制約があったり、EC広告や新聞折込チラシのように多くのパターンを作って、クリエイティブテストをすることは難しいですが、しかしテレビ広告も原則は同じです。つまり、

投資した広告コストで何人の新規客が集客できるか

ということです。

そのためには、広告コストに対して、少しでもCPOが低いCMを作る必要があります。EC広告や新聞折込チラシのように、たくさんのパターンをテストすることはできませんが、広告表現検討表を使って、CMをテストしたり、広告担当者が仮説と検証を行ってPDCAを回していくことは同じプロセスで考えるといいでしょう。

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。