完了【伝説の通販バイブル】第1章 10億円を稼ぐ通販ビジネスはここが違う 第4ステップ 「在庫・物流」とは

在庫・物流の戦略的思考

これは、全体設計図マーケティングβの中にある、6ステップ法の中で4番目の優先事項として取り組まないとけいないステップです。このステップは、図表1-8のように返品や不良品、廃棄などで商品在庫のコントロールが非常に難しいため、これから通販ビジネスを始める人にとっては最初の関門となるはずです。

在庫・物流の戦略的思考は、「効率化」です。つまり、自社で運営する場合でも、アウトソーシングする場合でも、すべてのプロセスで意識すべき点は、効率化になります。

売上を100%としたとき、物流費は売上に対する比率で8%をあらかじめ想定して組み込んでおいてください。

図表1−8 在庫管理の具体的な方法

 

通販物流のコアプロセス

通販物流は、図表1−9、1−10のように、入荷業務、在庫管理、出荷業務の大きく3つの分野から成り立っています。受注から出荷までを「フルフィルメント」とよび、受注管理、在庫管理、ピッキング、商品仕訳・梱包、発送、代金請求・決済処理などは、通販ビジネスでもっとも重要なコアプロセスとなります。

さらに、苦情処理・問い合わせ対応、返品・交換対応、代金の督促、会員誌の発行・郵送、顧客データ管理・分析などの周辺業務を含める場合もありますが、受注から出荷まででひとくくりにする方がコスト管理がしやすいと考えます。これらの各プロセスは、事務処理・管理業務・物流実務が相互に密接な連携をとる必要があるため、フルフィルメント(受注から出荷まで)という捉え方が出てきたと思われます。

コアプロセスのアウトソーシングと準備

通販事業者は、フルフィルメント施設・人員を自社で持たずに、アウトソーシングすることが多いのが実情です。それを受託するフルフィルメントサービス業は、物流事業者が手がける場合が多いです。

通販コンサルティングでよくある質問のひとつに、どのくらいの物流になれば、アウトソーシングをしたらよいでしょうか、というものがあります。

これは図表1-11のように、日本通信販売教会の報告書がありますので、事前に調査しておくことをおすすめします。表を見ると、売上10億円未満の規模でも月間の平均物量は6,583件。例えば、売上5億円程度の企業であれば、その物量を自社でこなすことができるかどうかを調べれば、事前に予測できます。

アウトソーシングする場合、その前に実施しておくことがあります。それは、まず商品に「商品コード」をつけて「商品マスター」を作成、管理することです。、まずはそこから初めてください。「商品コード」をまとめて管理するデータベースが「商品マスター」になります。物流・在庫管理は、全てのこの商品マスターから始まります。

「情報としての商品」と「モノとしての商品」を一元管理していれば、誰でも正確にお客様にお届けすることができます。効率化をするためには、まずは商品コードをつけて、商品をマスター化することを考えて見てください。

 

梱包作業のルール

次に梱包作業には、時間あたりの効率化を図るために、最低限のルールがありますので、ご紹介します。それは「管理方法」と「セット組の方法」です。私は現場視察でよく次のように言います。

「よく動く商品は、ある程度、おく場所をまとめておいてください」

このためには、感覚ではなく、売上ランキングなどを利用して例あんとを決定することが大切です。実際、出荷現場で商品を見ると「この商品、半年ぐらい売れていない」「売上金額は小さいけれど、コンスタントに数は出る」と行った具合に、実は「出荷頻度の多い商品、少ない商品」という傾向は存在します。

目的の商品をピッキングするのに移動距離を短くする配置の方法は、ピッキング時間も短縮され、より多くの出荷数をこなせるようになります。

例えば、図表1-12のようにZ型歩行になるようなレイアウトでに変更するだけで追い越しが可能となり、「待ち」がなくなるので生産性が上がります。

物流管理の中でSKU管理という手法があります。SKU

 

梱包にかかる費用と効率化

効率化を図るという観点から、梱包にかかる費用は平均いくらが妥当かご存知でしょうか。答えは、運賃込みで800円までです。ただし離島は除きます。運賃値上げが相次ぐ昨今、できる限りコストを抑えたいところですが、梱包資材も感動を与えるためのサービスの一つと捉え、さまざまな工夫をしている通販会社もあります。アパレルなどの店舗がショッパー(手提げ袋)をブランディングの一つとして活用しているのと同じように、梱包を単なる「資材」としてではなく、ブランディングとして捉えているのです。

例えば、総合通販フェリシモは、外観はもちろん、内側も花柄に印刷した段ボールを利用し、開けたお客様に「感動!うれしさ!」を与える演出をしています。

以前は、資材を大量に発注できる大手会社でないとオリジナルパッケージを作成するのに相当なコストがかかっていましたが、最近では比較的安く簡単にオリジナルパッケージを作成できるようになりました。

段ボールのコストダウンはもちろん、小ロット・短時間で納品できる体制を組んでいる外部業者もありますので、積極的に研究とモニタリングをしてみてください。

また環境や健康への配慮という時代の流れとして、「燃やしても害ができない素材」を採用したり、できる限り化学物質を使わない素材を活用したりといった心遣いをしている企業もあります。

一方、効率化の落とし穴としては、梱包作業自体が雑になってしまうことです。特に忙しい時には、緩衝材がぐちゃぐちゃに入っていたり、過剰に入れすぎたり、逆に足りなかったりしているケースがありがちです。作業効率を考えると、梱包資材には、「つかいやすさ」も重要といえます。

 

バーコード管理

消費アイテムが10個以上に増えてきたら、ご出荷をなくすためにも、バーコード管理を必ず実践してください。効率化を図るためのバーコード管理です。

わかりやすい例は、スーパーやコンビニの会計です。レジで商品についているバーコードをPOS端末でぴっと読み取ると、商品名や金額がレジのディスプレイに表示されます。これがバーコード管理です。

バーコードと一言で行っても、JANコード等いろいろな種類があります。表現できる文字や文字数、バーコードの幅などに特徴があり、用途に合わせて選ぶことができます。

スーパーで売られている日用品などには、49(または45)から始まる13桁のバーコードJANコードがついています。JISにより企画課されたバーコードで、登録した企業ごとに番号帯が割り当てられるため、他社と被ることがありません。

スーパーのように複数のメーカーの商材を扱う小売業で販売する場合には、必ず取得を求められます。ただ、JANコードを取得するためには、流通コードセンターに登録手続きが必要で、さらに登録費用が必要になります。

 

ご出荷によるコスト増と防止策

ご出荷が発生すると、お客様への謝罪など顧客対応での「時間的なコスト」、ご商品の回収や正しい商品の再発送にかかる「物流コスト」がダブルで発生してしまい、コスト面で大きなダメージになります。

しかも、楽天の「あす楽」などのサービスの普及によって、「すぐに必要なものでもネットで買う」という購入スタイルが浸透している現在では、「必要な時に届かなかった」というお客様への心理的悪影響は非常に大きく、通販ビジネスへの信頼は大きく失われてしまいます。

ご出荷にかかる費用は、1件3,500〜5,000円かかります。内訳は、往復送料、対応人件費で、代引きなどの場合は、これに手数料、梱包資材などが追加されます。

しかも、クレーム対応は担当者にとって、とても憂鬱なものです。電話で対応する人、出荷作業をしている人、皆に負担となっていします。

ご出荷を帽子するための基本中の基本は、商品固有の商品コードを割り当てて、商品(現物)に付ける」ということです。

「商品マスタ管理」や「JANコード管理」をし、商品に「商品マスタ」を表示することです。重要なのは、「商品に商品コードがついているか」という点です。ダブルチェックをして、最後は目視で確認することを忘れてはいけません。

 

欠品リスク

お客様にご案内した商品が、実は在庫がなく欠品していたということがあります。この原因は、大きく3つあります。

①入荷時のチェックミス

入荷チェックを簡単に済ませようと目視で行って、手書き品番リストへの転記ミスや数の読み間違いが発生するケース。例えば、段ボールの外箱に、A品番:100個入などと記載されていると、そのまま信じて入荷処理をしてしまうことがあります。実はこの段ボールの中にはA品番が99個しか入っていなかったり、A品番と見分けがつきにくいA1品番20個が一緒に入っていたりします。このような間違えやすいシーンがよくあります。

②出荷過多

注文数数よりも多く商品を出荷してしまったケース。お客様から申告いただいき、返品してもらえればいいですが、大抵は、ラッキーという感覚になもなりますので、返品は期待できないでしょう。

③返品時の過剰在庫登録

よくあるのが、お客様からの返品商品を棚に戻すときのミスです。商品が3個戻ってきて、システムにも3個と在庫入力。しかし実際には、1つは不良在庫品だったので、在庫の総数はあっても、出荷できる良品の数がズレてしまいます。

 

これ以外にもいろいろな要因がありますが、小さなミスの積み重ねが在庫ロス、在庫切れとなり、クレームに繋がってしまいます。入荷作業を確実にするためには、ハンディーターミナルなどの危機を使って、バーコードを1点ずつスキャンして(読み取って)、入荷処理を行うことです。先ほどの入荷時のチェックミスもバーコードで1点ずつスキャンすれば簡単にデータ化することができるので、間違わずにすみます。

バーコードの検品システムは、当然システム費用がかかります。しかし、目視検品をするよりも、早く正確に処理できることを考えると、導入を検討するだけの価値はあります。

 

まとめ

最後にまとめとして、在庫・物流で実施しなければならない25項目をあげますので、実践してみてください。

①宅配便会社は、支払費用だけではなく、サービスの充実度を視野に入れて選ぶ。※コンセプトを届けている、という意識を持つこと。

②時間指定・日時指定をサービスのメニューに導入する。導入しない場合との比較で、顧客のリピート率が10%アップする。

③ポイントよりも送料無料のサービスの方がお客様には効く(有効性が高い)ので、送料無料になる施策を検討する。

④当日受注・当日発送(アマゾン方式)は顧客コメントが多く集まるので、限定的に導入する。

⑤通販では、お誕生日、感謝祭、割引が売上アップに有効なので、年間で企画に入れる。

⑥実店舗と通販の連携は、割引ポイントの有効性が高いので導入する。

⑦ISO(国際標準化機構)や個人情報保護規定は明確に掲載する

⑧JASMA(公益社団法人日本通信販売協会)、いわゆる通販協会などの団体に属しているなら、それを記載する。

⑨生年月日までを書いてもらう場合には、目隠しシールや封筒を必ず用意する。

10。特別優待チケットを販促で使用する場合には、もれなく+さらに今なら!の文言を裏面に表記する。

11.24時間受付可能にすると、顧客の心に安全・安心が生まれるので導入する。特にFAXには24時間受付狩野の表記を入れる。

12.問い合わせ先は複数用意する(電話、FAX、インターネット、スマートフォンなど)

13.お届けまでの日数を確認する(地域によって違うので注意)

14.管理の効率化を図るため、契約後、宅配伝票を連続帳票に切り替える(ドットプリンターで印字)

15.不在時の再送規定について、物流会社と契約する際に明確にしておく。※不正購入を未然に防ぐため

16.商品の梱包方法を決定する(破損防止の措置、段ボールまたは紙の用意。

17.挨拶状の作成準備をして、商品に同梱する。

18.次回の注文葉書の作成準備をして、商品に同梱する。

19.商品説明書やお客様の声が掲載されているチラシの作成準備をして、商品に同梱する。

20.お友達紹介用のツールの作成をして、商品に同梱する。

21.返品や返品交換の手順書の作成をし、社内で標準化する。

22.領収書が必要な場合は準備する(ただし納品書は必須)。

23.返品マニュアルを策定する(返品パターンをマニュアル化する)。

24.緊急対策の連絡網を作成する(トラブル対応)。※社長に必ず報告されるスキームをとること

25.物流会社やアウトソーシング先のミスは、通販会社のミスであることを心得ること。

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