これは全体設計図マーケティングβの中にある、6ステップ法の中で5番目の優先事項として取り組まないといけないステップです。このステップは、これから通販ビジネスを始める人が、他の通販の成功モデルを徹底的に分析し、学習するステップです。
お客様の満足度とセールス・コールセンターの戦略的思考
「新規で獲得したお客様の満足度をいかに向上させるかが重要」という話を進める前に、まずこの考え方の誤りを修正しておかなければなりません。
通販は、買い物かごに入れるとき(購入するとき)と実際に商品が届いた瞬間が、お客様の満足度が最も高いことを前述しました。
この高いテンションの気持ちから、どんどん原点されていくというイメージが重要です。お客様が持っている満足度の一定基準を満たさないと、もうこの通販会社では書いたくないという判断を下されてしまいます。
つまり、満足度は向上するのではなく、どんどん減点されていくという認識が重要です。
セールス・コールセンターの戦略的思考は、モデリングであり、役割としては、お客様の声を聴くことの追求になります。別の言い方をすると、コンセプトを伝えるということになります。
また、通販のセールスとは、クロスセル(別商品の購入促進)やアップセル(購入商品よりも上級な商品の追加購入)を指し、これは、全体設計図の中に事前に組み込んで運用することが重要になります。セールスの基本は、セオリーを真面目にやり通す一貫性に尽きます。
お客様満足度を減らさないための施策
なぜ通販なのかを常に問い、商品の機能ではなく、お客様へのベネフィットを伝え続けるメッセージを発信することが重要です。
通販顧客の特性で、最終購入日より、時間が経つにしたがって、関心も興味も下がっていくるからです。ですから、いかに関心事として捉えてもらえるかが重要になってきます。
ここで、健康食品の事例を前提に、解説します。商品が到着してから、どのようなタイミングでお客様にアプローチするべきかが理解できるはずです。
0日目:サンプルが届きます。同梱ツールには、商品の世界観(デザインやコンセプト、ポリシー)との一貫性を持たせてください。
3日目:サンプルの到着確認のアウトバウンドを実施します(現在、これを行わない通販会社が多い)。ここでいうアウトバウンドとは、お客様への契約促進の営業活動などを企業側から顧客へ積極的にアプローチすることです。
これを行う際には、使い方(この例では飲み方)の指導も忘れずに伝えます。
21日目:フォローメールが届くように設定します。往復ハガキのような形式でも構いません。ここで一番重要なのは、タイミングです。合わせて、定期コースへの促進を忘れないでください。
30日目:アンケートのアウトバウンドを実施します(お客様の声の収集が目的なので、メールやハガキでもOK)。お客様に商品の感想をお願いし、続けて商品・サービスの説明をしてください。極力、定期コースに誘導するマニュアルを構築しておくことをおすすめします。定期購入をしていただくためのオファーをしても構いません(定期コース初回は1,000円引き!など。)
定期購入の場合は、1・3・2の法則に準じて行うことをおすすめします。
45日目:2回目のフォローメールを送ります。もう一度、商品の使い方やベネフィットの説明をしっかり行います。できればお客様の声をパンフレットや同梱物のコンテンツとして使用してください。基本は定期コースへの誘導ですが、商品によっては、まとめ買い促進にも効果的です。ただし、ここで重要なのは、押し売りをしないことです。
あくまでも情報が先(情報提供が先)で、最初から定期購入価格を表示しないのが原則です。ここでは、お客様へのベネフィットが先で、定期コースへの変更は後、ということです。
60日目:DMが届いた後、到着のアウトバウンドを実施します。DMが届いたかを確認し、到着していない場合は後日、電話をかけなおします、届いていれば、再度商品の説明などを行い、定期コースに誘導してください。このとき、最初のアウトバウンドで電話を拒否した人は除きます。この運用を怠るとトラブルになりますので注意が必要です。
90日目:3回目のフォローメールを送ります。その他の商品も載せたパンフレットを送り、クロスセル(別商品の購入促進)を狙います。また、今回で割引がなくなる旨を連絡し、購入を促します。
このように、3ヶ月以内に3回、お客様との接点を設けて、2回違うオファーを定時することを全体設計図として導入してみてください。
そうすることで、お客様の問題解決を助けるコミュニケーションが深まります。
図表1ー13のように目的とツールに分解すると、具体的なアイデア施策がイメージしやすいので参考にしてください。
図表1−13 顧客別ツールと役割
顧客のフォローシステム
顧客対応のプログラムである全体設計の戦略は、心理学に基づくメカニズムに依存しています。前述した通り、図表1−14のようにえびングハウスの忘却曲線を無視することはできません。
よって、顧客のフォローシステムは、最大で9ヶ月間は必要となります。
またリピートしてもらうためには、リピートしない4つの深層心理を排除する必要がある旨もお話しました。そのために、顧客が離脱したりする理由を徹底的に探ることもお話しました。
1ヶ月以内に3回の顧客接点を持ち、2回違うオファーでアプローチすることを1つのブロック単位として、3ヶ月継続するプログラムを作ります。「1・3・2の法則×3ヶ月間が顧客のフォロープログラムとなります。
しかし、実際の多くの例が、メルマガのステップメールのフォローが1日、3日、7日、10日、14日、21日、30日という法則にしたがって配信されているため、メールの解除や顧客の離脱についても見逃してしまうのです。また他の通販会社が、ステップメールを同じような頻度で配信しているので、フォローのタミングも類似しています。だからこそ、1ヶ月以内に特に手厚くフォローするのが原理・原則になります。ただしその場合は、同じアプローチ手法<メールならメール配信のみ>では、効果がないことが検証されています。(近年、同じ手法が多用されているため顧客が無視するようになったため)
メールの後に電話やDMなど、違う方法での顧客との接触が重要ということになります。
ステップメールのストーリー仕立ての手順
30日間のステップメールのストーリー仕立ての概要をご紹介します。まずは、大枠を設定しますが、その方法は次のようなストーリー仕立てにするのが特徴です。
①同じ出発点(同じ悩みを持っている)
②失敗の連続(なかなかうまくいかなかった)
③偶然の出会い・発見(何か気になる)
④継続することで成功できる
⑤成功の理由・根拠をストーリーで示す
⑥他のお客様も続々成功している
⑦完璧なメソッドであるが、ひとつ問題点があることを伝える(継続すること)
⑧その一つだけの問題を解決するオファーがある
⑨「次はあなたの番です」
これを実例に即して、もう少し具体的に落とし込んでいくと、次のようなステップ仕立てができますので参考にしてください。
ステップ2と3はステップメール中には組み込まないケースの方が多いです。これは集客用のLP内でシナリオ化するのが一般的です。
通販におけるコールセンターの概要
次に、通販のコールセンターにフォーカスします。まず、通販のコールセンターとは何を意味するのでしょうか。通販のコールセンターの機能は多岐にわたります。具体的には、注文電話、質問電話、フォローのアウトバウンド、注文FAX、受注入力、各種伝票発行、商品梱包、入金管理、督促業、データ分析、媒体登録などです。
コールセンターによっては、オムニバス(数社の業務を請け負う)方式で、価格を下げる方法をとっているところものありますが、初めはお勧めしません。年商が1億円未満のときにセンター運営を覚えておいたほうが良いからです。
売上が大きくなった後では、何倍も大変になってくるからです。
メンバー構成は、責任者(社員)とスーパーバイザー(SV)がそれぞれ一人、オペレーター四人、合計6人くらいは欲しいところです。
オペレーターは、できれば器用な人を選んでください。その理由は、コールセンターのすべてのことを行わないといけないからです。オペレーターはできれば電話が得意な人2人と、作業の得意な人2人が望ましいです。SVは外部の人の方がよいでしょう。できれば経験者を入れてください。またSVは、オペレーターの管理、業務の指示、業務の管理、シフトの管理、データの抽出などを行い、時には電話にも出なくてはなりません。
コールセンターのインバウンド業務
コールセンターの具体的なインバウンド業務(お客様からの各種問い合わせ・注文など)について解説します。
インバウンドは注文、質問、クレームの大きく3つに分類されます。
・注文
何を見て電話してきたかを確認し(媒体番号)、どの商品が欲しいかを聞いて、お届け先を聞きます。
単品リピート通販の場合は、必ず定期コースの案内をします。こちらのほうがお得です。気に入らなければいつでもやめることができます。と伝えます。また極力生年月日を聞きます。今はあとで本人確認を行う必要があるときに使うという大義名分をつけられるので、以前に比べ聞きやすくなりした。(健康食品は年練との関係が深いので、ぜひ聞きたいデータとなります)
・モニターの応募
必ず本人が使ってくださいと伝えます。最近はモニターでもらった商品をすぐにオークションに出してしまう人もいるので、この一言でかなり違います。
・質問
受けた質問から注文に結びつける上手なオペレーターを探し出し、録音しておくと後々便利です。
商品説明ファイルは、オペレーターにワンセット単位で配布をし、定期的に社員研修を実施します。何よりも、お客様からの質問に対して、的確に答えることを習慣づける必要があります。答えがわからない質問、専門的な質問にはいい加減に答えず、時間がかかる場合は折り返しの電話で対応したほうがよいので、その判断のみきわけも大切になります。
・クレーム
コメントを残す