お客様を虜にする全体の仕組みの解剖図
お客様を虜にするためには、謝った通販のマーケティングのすぐに改める必要があります。つまり、億を突破するまでマーケティングαに手を入れないことです。
私が謝った通販マーケティングに対して個別でコンサルティングを行う際に、問診し、改善を進めている20項目を公開します。この20項目をクリアしている場合は、虜にする仕組みができていると行っても過言ではありません。
1.テストをしていない(ヘッドラインを変える)
2.企業広告からダイレクトレスポンスに変える
3.差別化できていない
4.バックエンド商品やサービスがない
5.お客様のニーズや要求を理解していない
6.自社だけで解決しようとしている
7.あなたとビジネスをすることは楽しいことである旨を伝えていない
8.お客様に「理由の説明」を行っていない
9.効果のあるマーケテイングキャンペーンを止めてしまう
10.マーケティングの対象は明確でない
11.見込み客の情報を持っていない
12.戦略的でない(ビジョンを達成するための枠組み)
13.マーケティングシステム、または販売システムが確立していない
14.インターネットをフル活用していない
15.状況を把握しないで販売活動をしている
16.本来だったら可能なことに手間取っている
17.利益を再投資していない
18.顧客生涯価値(LTV)を理解・活用していない(計算は常に保守的に)
19.分野・関係・機会・資源・人材などのリソースを把握して最大化していない
20.マーケティング(集客)とセールス(販売)の連携が取れていない
20項目の中でも下記の4項目が特に重要な取り組みです。
項目1については、経営者の感性に依存することなく、どんどんA/Bテスト(仮説を2つ用意してテストすること)を実施し、数値が高い方を採用していく運用を心がけてください。
項目2については、通販ビジネスの初期はイメージ広告ではなく、レスポンス広告をメインに実施してください。年商10億円以上でないと企業ブランディングのためのPR費用はあまり効果がありません。
図表2-1 売り方まで考えたシナリオ設計について
図表2−2 業態ごとに異なるモデルでも同じ
項目4については、通販ビジネスはベルトコンベア理論が重要であることを前述しました。売れるバックエンドモデルがないと収益は上がらないのです。
項目5については、お客様を虜にするためには、お客様を上手に巻き込む仕組み(紹介システム=ファン層を拡大する仕組み)を構築し、お客様の声を次のコンテンツやサービスのために活かすことが最も重要です。特にインターネットで販売するチャネルの場合には、双方向になりにくいので、注意が必要です。
またよくあるのは、「化粧品だから」「アパレルだから」と行って、扱っている商品によってやり方が違いがあるだろうと勘違いしてしまうことです。売れるバックエンドモデルは一緒ですので、ご注意ください。(後述の事例で紹介します)
違うのは、バックエンドモデルの「力の入れる場所」です。
図表2−3 燃焼規模と6ステップ法の関係図
図表2−2のように、コスメでは顧客対応のカウンセリングがバッグエンドモデルの肝となります。またヘルスケアなどの健康食品は、受注時の定期購入がバックエンドモデルになることがあります。
業種・業界によってバックエンドモデルの位置が違うだけなのです。
通販の成功企業、例えばサントリーの事例を研究すると、販売の基本、セオリーをまじめにやり通した会社で、同業他社の仕掛けや顧客の声から情報収集を徹底していることがわかります。
通販ビジネスは科学なのです。しかも小売業なので、仕組みと数値のビジネスです。
ですから、前述した全体設計のマーケティングβの6ステップ法から取り組んでください。
また図表2−3のように年商規模に比例して顧客接点が増え、リアルとの連携も不可欠であることもわかります。
ツーステップマーケティングの秘訣は、ファーストコンタクトから顧客のフォローまでを考えて、お客様を虜にするプロモーションを最初から設計することです。
そうすれば、お客様は無意識にその階段を上がっていくのです。
通販の利益構造から考えて施策を練るために重要なこと
通販の利益構造から考えて施策を寝るために重要なことは、次の2点です。
・通販ビジネスとして商材が向いているかどうか
・商品そのものに継続性が生まれるかどうか
これが成否の鍵となります。
成功に導くためには、「商品企画のコンセプト」が重要です。また「ビジュアル、キャッチコピー、オファーの3つの要素について、最低でも2種類のテスト、A/Bテストを行うのです。
そして前述したように、通販の場合は顧客のファーストインパクトがとても大切です。満足度が最も高いのは、購入した瞬間と商品が届いた瞬間です。
そのあとは、顧客のフォロープログラムを通じて、目に見えないサービスや信頼を目に見える形として、最大90日間フォローすることが重要です。
30日以内に人間の深層心理にある「購入しない理由」を排除することに努めます。具体的には、価格の壁をクリアにする、機会(チャンス0を提供する、効果・効能(ベネフィット)を見せる、信用・安心を目に見える形で提供することです。
利益構造を考える上で必要な係数
利益構造を考える上で必要な係数は、CPO、顧客単価、定期率、直接減価率の4つです。
CPOとは、1件の注文を獲得するためにかかった販売促進費のことです。
顧客単価とは、1回の購入によって顧客一人あたりが支払う総額のことを指し、ECサイトなどにおいては、顧客単価を一定期間や一定の母数で計測し、平均化した平均客単価が重要な指標として扱われます。
定期率とは、1ヶ月に定期申し込みをする顧客数(人)÷顧客総数(人)」で算出します。定期率はリピートしているかどうかの指標になるので、しっかり確認するようにしてください。定期コースを意識するためには、1ヶ月分の目標をはっきりさせることが重要です。定期コースの1回目から2回目の離脱率は5%が目安です。
直接原価率は、商品価格における商品製造にかかったコスト(原価)の比率を指しますが、バルク(簡易包装)段階のものではなく、最終パッケージにするまでの原価で計算してください。
また利益が残る、継続型の通販に向いている商品の特性は、次の3つに大きく分類できます。
・その通販会社で買う理由があること
・悩み解決型商品であること
・購入を継続する理由があること
つまり、他では販売していない、または、手に入らない商品、商品特性や効果・効能がはっきりしている商品、継続性がある商品、が通販ビジネスに向いているのです。
継続型の通販には、一緒に買ってもらいたい商品も必要で、「補完商品」「サブ商品」「買いまわり商品」などと呼んでいますが、ファン層のために必須なわけです。
継続型通販の事業構造を作るための3つの検証
継続型通販の事業構造をより実態に近づけるためには、ドライテストによって次の3つが妥当かどうかを検証することが必要になります。
1.コンセプトとポジショニングの切り口
検索エンジンで検索したときに表示される件数(検索ボリューム)が50万件以下(適正は35万件)ぐらいになるキーワード(切り口)がネタになると良いのです。
例えば「悩み」×「部位」などの切り口(キーワードに「ニキビ」×「背中」×「恥ずかしい」)で検索してみると、0.29秒で約36万ヒットします。
このようにキーワードの組み合わせで絞り込むことがとても重要なのです。通販ではありませんが、車でもサーキット専用車両や、〇〇限定、〇〇モデルというと特別感が出て気になります。この心理を導くようなキーワード、切り口を探して行きます。
2.儲かる通販指数
次に、前述した儲かる通販指数が2.0を突破するかどうかを、チラシなどを作成・配布してあたりをつけるオフラインでのドライテストを行います。例えば、9,800円の商品の購入を4名に声をかけ、1名購入した場合、9,800円×4分の1で儲かる通販指数は2.45になり、2つ目の妥当性はクリアということになります。
この検証方法の良いところは、サイトを作成する必要なく、チラシにキャッチコピーやベネフィットを入れて配布し、注文が発生するかどうかをテストする方法のため、コストと手間がかからない点です。
またこの際、同時に売上規模の見通しも検証します。たとえば「背中ニキビ」での検索の場合、「1ヶ月間の表示回数36万×SEO2位表示の場合の流入率10%×顧客単価9,800円×CV率(成約率)1.5%=約539万円・1ヶ月あたり」となります。
売上見込み指標=1ヶ月間の表示回数(50万件以下)×SEO1位表示の場合の流入率17%×顧客単価×CV率(成約率)1.5%
なお通常はSEOが2位表示になるとCV率(成約率)は10%、3位表示になると7%に下がります。ターゲティングの切り口にエッジを聞かせないと、Googleで上位表示ができず、CV率(成約率)も下がり、売上見込み指標も下がってしまうことになります。ここでの注意事項は、アクセスを集める前に、マーケティングβの売上を構築することが先だということです。
3.MR(メディアレーション)
最後の妥当性の確認は、実際に売れるLP(ランディングページ)を作成してオンラインでテストします。前述したMR(メディアレーション)が0.8以上になるようにLPをチューニングする必要があります。ドライテストでのクリック数は800以上であれば、製品納品前テストとして判断する際の統計数値として意味があります。
Yahoo!クリック数321回、広告費17,442円
Googleクリック数379回、広告費28,286円
合計クリック数700回、広告費45728円
新規売上52,000円 定期(9,800円)4人、単価(12,800円)1人
MR:1.14
平均クリック単価:65円
PCからの購入者3名、スマホからの購入者1名、電話1名。
図表2−5 具体的なMR(メディアレーション)の計算式
以上の3つを検証し、クリアしてはじめて、事業計画書に基づいて販売開始するのです。
またさらにTOP画面で下記の請求軸を変更して効果があるか否かをテストすることで、何が売れる訴求ポイントなのかがより明確になります。請求軸について、他社が言っていない付加価値を3つに分類することができます。
1.お客様の声で作成
→気づき、感動、不安、期待感、疑問
2.数字を入れる
→歴史、昨日、限定、人気、実績、評価
3.2軸のポジショニングでライバルを叩く
→新規、価格、解決、比較
売れる訴求ポイントを2つ以上見つけると、ライバルに対する圧倒的な優位性が生まれます。ぜひ、自社独自の価値提供は何か?を考えて、他社の真似ではなく、独自性を打ち出してください。
10億を狙う事業構造を設定せよ
全体設計図のマーケティングβを中心に、年商1億円を突破する通販ビジネスを構築するには、次の手順1から5をステップ・バイ・ステップで取り組めば可能です。
また、10億を突破するためには、全体設計図のマーケティングβの6ステップ法を組み込む必要があるのです。
図表2−6 原理原則の5つのステップ
また通販ビジネスは、仕組みと数値のビジネスである旨も何回も説明してきました。特にマーケットインの考え方である、顧客視点(ターゲット)ありきであることも理解していただいていると思います。
手順を解説する前に前提条件について解説します。
原理原則の手順0(前提条件)
1.自社の強み(自分)を2軸で構築する
・次の12個のキーワードを使用して2軸のマトリクスから分解する。
範囲、専門性、実績、権威性、効果、価格、用途、目的、リスク、品質、オーダーメード、痛み欲求
※一言でいうと、どうすごいのかを決定する(コンセプトを決定する)
2.自社の2軸が決定したら、他社が言っていない15個の補強する付加価値に分解する。
・次に15個の要素に分解する
気づき、感動、不安、期待感、疑問、歴史、機能、限定、人気、実績、評価、新規性、価格、解決、比較
他社が言っていない付加価値は、数値・固有名詞に分解する
1と2から1億越えの通販ビジネスに必要な問題解決ができる必殺技を磨きます。
3.1名の明確なターゲット(ペルソナ)を確定し、「悩み」を聞き出します。
・10分程度のヒアリングを実施する
・ヒアリング内容の音声を録音する(10分で約1,000文字程度)
・ヒアリング案内を文字に起こす
・テキストマイニングでキーワードを抽出する
・潜在的な問題を明確にする
事業計画書の作成前に、あなたが解決できる必殺技は、ターゲット層のペルソナの問題解決に有効か否かを準備する必要があります。
そして一言でいうと、「どうすごいのか?」、また「なぜ語る資格があるのか?」を明確にする必要があります。
手順1 あたりを付ける
儲かる通販指数度=売上×購入者数÷ユニーク訪問者数が2,000を超えているかどうかを急ぎ調査する。
たとえば、販促チラシを作成して5人に声をかけ、一人の成約があってその売上が1万円以上であれば合格
→1万円×1名÷5人=2,000
手順2 通販に適しているかどうかをチェック
MR(メディアレーション)=売上額÷媒体費用(広告費)MR=0.8以上になっているかを確認。
・LP(ランディングページ)を作る(コピーライティングは実際の顧客の声をベースにする)
・PPC広告(クリック課金型のインターネット広告)をテストする(10万円まで)
・顧客の利便性の良い決済方法を導入する
手順3 儲かる仕組みとなるかどうかをチェック
LTV(年間の顧客生涯価値)とは、
条件①=18,000円/年 以上
かつ
条件②=3回以上(複数回)
LTV=数量×単価×回数に分解する
・1回目から2回目のリピート率は87%に維持すると、年間リピート率は60%以上になる。
手順4 顧客視点をもち、一貫性を図る
【ステップ1 1・3・2の法則】
・1ヶ月以内に顧客フォローを完結する
・同じ顧客に対して3回接触をつくる
・2回違うオファーを提案する
・顧客との接点は、同じ接触方法で行うのはMG
【ステップ2 顧客接点の設置と、継続しない理由の排除】
・顧客との接点を次の①〜11 の中から最低6つ以上設ける
①DM
②企業サイト
③販促メール
④教育ステップメール
⑤コールセンター
⑥LPページ
⑦FAX
⑧Facebook
⑨LINE
10.小冊子
11.カタログ
・4つの継続しない心理を排除する
①価格
②機会(チャンス)
③効果
④信頼・安心
手順5 10億達成の6ステップ法と150個(各25個×6ステップ)の打ち手を実装する
6つのステップ法と150のチェックポイントをクリアする(第一章各まとめ参照)。
以上、5つの手順で、ステップ・バイ・ステップで1億越えの階段を上がっていきます。
利益が上がる仕組みを作るためのワーク
通販の事業計画と同じぐらい大切なことは、フロントエンド商品とバックエンド商品のモデル設計を構築し、通販ビジネスの利益が上がる仕組みを作ることです。
そのためには、ポジショニングとコンセプトを徹底的にリソース分解し、2軸のリポジショニングを設計してください。
利益の構造とは、バックエンド商品のモデルを指し、競合優位性は圧倒的な売りのポイントを指しています。
私が実際に行っているグループコンサルティングでは、次の7項目についてワークを実践してもらい、それぞれ経営会者に発表してもらっています。
1.現実を直視する
2.市場はどうなのか?
3.競合はどうなのか?
4.自社の優位性は何か?
5.顧客のセグメントを絞る(ターゲットの明確化)
6.どのように伝えるか?
7.事業構造ができる
図表2−7 ポジショニングとコンセプトを産み出すワークについて
図表2−8 奥超え解剖図について
図表2−9 ポジション事例:ニッセン
事業構造ー顧客構造分析
企業全体の事業の組み合わせを変えることによって、環境の変化に対応する戦略のことを、事業構造と呼びます。
競争戦略と並んで、経営戦略の重要な構成要素です。
1.どのような事業分野で事業を行うかというドメインの決定
2.どのような事業を組み合わせるかという事業ポートフォリオの決定
3.各事業への資源配分と資源獲得方法の決定(資源展開)
の3項目から構成されています。
私が推薦する事業構造は、顧客構造分析になります。顧客構造分析を行うための項目設定を手順を紹介します。
図表2−10の例では、来店頻度と1回あたりの購買額で設定していますが、他にも経営方針策定のために必要な項目があれば、自社の特性にしたがって設定しても構いません。
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