今回はフォトショップのレイヤーについて知っておきたい知識と、あらゆる操作方法をまとめています。
フォトショ初心者の方でも理解できるように丁寧に解説しています。
細かく解説しているので、必要に応じて読み飛ばしていただければと思います。
1.フォトショップのレイヤーとは?
画像を構成する1枚のシートのようなものです。フォトショップでは複数のシートを重ねることで画像を作ります。文字のシート、画像のシート、背景のシート、とこれらが重なり1枚の画像になります。
1-1.レイヤーのイメージ
と言ってもなかなか言葉では理解が難しいと思うので、図にイメージをまとめてみました。
この図のように、下から1背景のシート②マッチョの写真のシート③サルワカという文字のシート④サルワカくんの顔写真シートの4枚のシートが重なっています。この1枚1枚のシート=レイヤーなのです。
1-2.重なり順が重要
レイヤーの重なり順は大事なポイントです。
なぜなら、この図のように大きな画像のレイヤーを上にもって来れば、その下のレイヤーが隠れてしまうからです。フォトショップを使っていて一部の画像が消えちゃった!というときには上のレイヤーに隠れてしまっていないか確認すると良い
編集したいレイヤーがきちんと選ばれているか適宜確認する。フォトショップでは、コピペや文字の挿入などを通してレイヤーがどんどん自動でついかされていきます。今どのレイヤーを編集しているのか常に意識するようにしましょう。
フォトショップでは基本的にレイヤーパネルという場所でレイヤーを選択したり、動かしたり、消したり、加工したりします。具体的な操作方法は次のセクションで。
レイヤーを選択することをアクティブにすると言ったりする。また現在選択されているものは、アクティブレイヤーと呼ばれることがあります。
2.レイヤーパネルの使い方
ここからはレイヤーの使い方をいちから解説していきます。すでに知っている箇所は読み飛ばしていただければと思います。
操作はパネルで行う
レイヤーの操作はフォトショップの画面の右にあるレイヤーパネルで行います。見当たらない場合にはキーボードのF7を押すと表示されるかと思います。
2-1.レイヤーを選択する(アクティブにする)
編集したいレイヤーはクリックしてアクティブにしましょう。これで他のレイヤーの画像や絵がブラシで塗られたり、消しゴムで消されることはない
2-2.重なり順を入れ替える
レイヤーの順番を入れ替えるには、レイヤーを動かしたい位置にドラッグします。
複数のレイヤーの順番をまとめて動かすには
コントロールを押しながら、動かしたいレイヤーを全てクリックしていきます。これで複数のレイヤーが選択されるので、そのまま動かしたい位置にドラッグしましょう。まとめて入れ替わるはずです。
背景レイヤーは一番下から動かすことができません。のちほどの背景レイヤーについての説明をご覧ください。
2-3.レイヤーを新規作成する
レイヤーパネル下部の紙のようなアイコンをクリックすると、透明のレイヤーが新しく作られます。透明なので、画像はパッと見何も変わらない。
この模様は透明という意味です。作業画面でこの模様が見えていても画像として保存すると透明や白になる。
2-4.削除する
必要がなくなったレイヤーを削除するときには、①削除したいレイヤーをアクティブにしたうえで、②レイヤーパネル下部のごみ箱のアイコンをクリックしましょう。
2-5.グループ化する
レイヤーの数が増えたときは、複数のレイヤーをグループ化すると、まとめて移動させたり、まとめて非表示にさせたりすることができ、作業が楽になります。
グループを作成するためには、まとめたい複数のレイヤーをコントロールを押しながら選択していきます。複数選択できたら、右上のパネルメニューをクリックして、レイヤーからの新規グループをクリックします。
グループの新規作成のウィンドウが表示されるので、グループ名を入力してOKを押します。これで選択されていたレイヤーが1つのグループにまとまります。
グループの中のレイヤーを表示されるときは、三角のアイコンをクリックします。(もう一度クリックすれば非表示になります)
レイヤーをグループに追加したければ、そのレイヤーをドラッグしてグループの上まで動かしましょう。
2-6.レイヤーを結合する
このレイヤーとこのレイヤーはセットでいいなというときには、結合しましょう。結合することで、パネルがすっきりしてデータも軽くなります。また編集のたびにいちいち別のレイヤーをアクティブにする手間が小さくなります。(1つのレイヤーにすれば、一気に消しゴムで消したり、色を塗ったりできます)
ただし結合するときには、次のことに注意しましょう。
・グループ化とは異なり、元に戻すことができない
・文字レイヤーと文字レイヤーを結合しても、画像レイヤーになってしまう(文字の変更ができない)
・非表示のレイヤーは結合されると破棄される
結合手順
結合したいレイヤーを複数選択
右クリック レイヤーを結合
複数のレイヤーが1つに結合された
まず結合したいレイヤーをコントールを押しながら選択していきます。複数選択できたら、複数選択したうちのどのレイヤーでもよいので右クリックします。
このときレイヤー名のあたりを右クリックしましょう。右クリックする場所によって表示されるメニューが変わります。
次にレイヤーを結合をクリックすれば、選択していたレイヤーが結合されます。
右クリックのメニューでレイヤーを結合の下に表示レイヤーを結合、画像を結合という選択肢もありますが、それぞれ次のような違いがあります。
・レイヤーを結合:選択したレイヤーを結合して、1つにする
・表示レイヤーを結合:表示されている全レイヤー(選択されていないものも含む)を結合して、1つにする
・画像を結合:表示されている全レイヤー(選択されていないものを含む)を結合して、背景レイヤーにする
2-7 レイヤーを非表示&再表示する
レイヤーを非表示にするには、目をクリックしましょう。再表示するには、同じところをもう一度クリックしましょう。
ちなみに非表示のレイヤーはブラシで塗ろうと消しゴムで消そうと編集されません。
2-8.レイヤーを複製する
レイヤーを複製するには、複製したいレイヤーを右クリックして、レイヤーを複製をクリックしましょう。よく行う操作なので、ショートカットを覚えても良いかもしれません。
2-9.レイヤーをロックする
こちらは大切なレイヤーを編集できないようにOR移動できないようにロックする機能です。フォトショップではレイヤーの数がどんどん増えていくので、意図せず別のレイヤーを編集してしまうようなことが上級者にでもあります。そのため、レイヤー数が増えてきたら、このロック機能を使うと便利
ロックするには、ロックしたいレイヤーをアクティブにして、パネルのロック:の右側のアイコンをクリックします。それぞれのアイコンの機能を下にまとめておきます。
※ロックの種類
・透明部分の編集ができなくなる
・ブラシで塗ったりなどの画像編集ができなくなる(移動はできる)
・レイヤーを動かすことができなくなる(編集は出来る)
・編集も移動も何もできなくなる
ロックを解除するには?
ロックのアイコンを再クリックすれば解除できます。ただし、背景レイヤーはロックを解除することができません。詳しくはのちほどの背景レイヤーについての説明をご覧ください。
2-10.レイヤーの不透明度を変更する
不透明度:の値を下げると、アクティブレイヤーを透明にすることができます。例えばこの図では、文字レイヤーの透明度を60%にしてみました。文字が透けて下のレイヤーが少し見えるようになっています。
2-11.描画モードを変更する
描画モードとは、下のレイヤーに対してどうやって合成するかを設定できる機能の事です。通常の他にスクリーン、オーバーレイ、ハードライトなど、合計で30種類近くもの描画モードがあります。フォトショ初心者の方には少し分かりづらい機能なのですが、インターネットや本のチュートリアル(画像などの加工手順)には、ここで描画モードをスクリーンに変更してください」などと細かく指定されていますので中身を覚える必要はない。
描画モードを変更するには、変更したいレイヤーをアクティブにして図のオレンジ枠の部分をクリックしましょう。ここから返られるんだなということだけひとまず覚えておきましょう。
2-12.名前を変更する
名前を変更したいときには、レイヤー名をダブルクリックします。すると名前が変更できる状態になるので好きな名前を入力しましょう。
3.フォトショップのレイヤー種類まとめ
3-1.画像レイヤー(通常レイヤー)
通常のレイヤーはこれになります。直接ブラシを塗ったり、消しゴムで消したり、いろいろな編集を行うことができます。
3-2.背景レイヤー
常に一番下に置かれているもので、以下の特徴があります。
・一番下から動かすことができない
・透明にすることができない(不透明度を下げられない)ただし背景レイヤー自体を非表示にすることはできます
・描画モードやフィルター効果をかけられない
背景レイヤーを通常のレイヤーに変える方法
右クリックで「背景からレイヤーへ」を選択
背景レイヤーを通常のレイヤーに簡単に変えることができます。背景レイヤーを右クリックして背景からレイヤーへをクリックしましょう。するとポップアップが表示されますが、必要に応じて名前だけ変えてOKを押しましょう。これで背景から通常のレイヤーに代わり、重ね順や透明度を変更できるようになる
背景レイヤーはなくてもいいの?
ファイルの中に1枚も背景レイヤーが無くても問題ありません。
3-3.塗りつぶしレイヤー
塗りつぶしレイヤーとは、作成するときに全体が塗りつぶされたレイヤーです。塗りつぶしのパターンには3種類あります。
①べた塗り:全体が1色で塗りつぶされます
②グラデーション:全体にグラデーションがかかります
③パターン:ドット柄などの模様がかかります
塗りつぶしレイヤーを作成するためには、半月のようなアイコンをクリックして表示させるメニューから「べた塗り」「グラデーション」「パターン」のどれかを選びます。たとえば、一色に塗りつぶしたいときは、上の画像のように「べた塗り」をクリックします。あとは色を選べば、全体が1色で塗られたレイヤーが追加される
簡単にカラフルなレイヤーが追加でき、背景などを作るときに便利
3-4.文字レイヤー(テキストレイヤー)
横書き文字ツールなどを使って文字を入力すると、自動で作られるレイヤーです。文字レイヤーはブラシで塗ったりなどのペイント編集ができません。そのため、ペイント編集をしたいときには、上にもう1つレイヤーを作ってその上でブラシを使ったりすると良いでしょう。
文字レイヤーをアクティブにした状態でブラシを使おうとすると警告がでてくる。
ラスタライズとはざっくりというとラスタライズ=画像レイヤーに変えてしまうこと。
一度画像にしてしまうと文字の変更は不可
3-5.調整レイヤー
調整レイヤーとは、画像の上に重ねることで、間接的に色調補正をかける機能のことです。明るさ・コントラストや色相・再度など、さまざまな種類の調整レイヤーがあります。詳しくは下の記事で解説
3-6.スマートレイヤー
スマートレイヤー(スマートレイヤーオブジェクト)
3-7 シェイプレイヤー
シェイプレイヤーとは、長方形ツールや楕円形ツールで、図形を作ると自動的に作成されるレイヤーです。
フォトショップでのシェイプと言うのは、どれだけ縮小しても拡大してもぼやけることのないベクター形式のオブジェクトの事です。
シェイプレイヤーとは?
・拡大してもボケない長方形や楕円形などの図形がふくまれる
・シェイプの図形(=シェイプ)はどれだけ拡大してもボケない
・シェイプはブラシで塗ったりなどのペイント編集ができない
(編集したければ上のレイヤーに描くか、新しくレイヤーを作るようにする。ラスタライズはあまりおすすめできない)
4.レイヤー効果の使い方
レイヤー効果(レイヤースタイル)は、簡単に特殊効果を加えることができる機能です。
たとえば、このように画像に簡単に影をつけることができます。画像だけでなく、文字にも影をつけたり、境界線を加えたり等のレイヤー効果がかけられます。
4-1.使い方
レイヤー効果を加える手順を説明していきます。
まず効果を加えたいレイヤーをアクティブにします。次にパネルの下側のfxアイコンをクリックします。するとレイヤー効果のメニューがずらっと表示されるので、好きな効果を選びます。
例えば影を加える「ドロップシャドウ」を選んだ場合、ドロップシャドウの設定ウィンドウが開きます。ここで、影の大きさ等を設定してOKをクリックすれば画像や文字に影が付きます。
レイヤー効果の設定は難しそうですが、プレビュー画面を見ながら少しずつ自分好みに値を調整していけばOKです。
4-2.レイヤー効果の種類
レイヤー効果には、ドロップシャドウ以外にも様々な効果があります。ここではそれぞれの効果をざっと解説します。
※効果一覧
バベルとエンボス:文字や画像に立体感を出す
境界線:文字や画像に境界線をつける
シャドウ(内側):文字や画像の内側に影を加え、くぼんだように見せる
光彩(外側):文字や画像の外側にぼやっと光が加わる
サテン:文字や画像に影を加えツヤを出す
カラーオーバーレイ:文字や画像を選択した色で塗りつぶす
グラデーションオーバーレイ:文字や画像をグラデーションで塗りつぶす
パターンオーバーレイ:文字や画像を選択したパターン模様で塗りつぶす
ドロップシャドウ:文字や画像に影をつける
5.これだけは覚えておきたいショートカット
最後にこれは便利!というレイヤー操作についてのショートカットを2つだけ紹介します。他にもショートカットは沢山ありますが、特によく使うのはこの2つ。
コントロール+クリック=クリックした部分のレイヤーをアクティブに
画像のなかでこの部分のレイヤーを編集したいなというときは、コントロールを押しながら、画像内の選択したい部分をクリックしましょう。クリックした部分のレイヤーがアクティブになります。(選択されます)
オルト+目をクリック=それ以外の全レイヤーを非表示に
レイヤー数が増えてくると、これ以外は全部非表示にしたいということがあると思います。そんなときは残したいレイヤーの目の部分をaltを押しながらクリックします。すると、クリックしたレイヤー以外が全て非表示になります。
元に戻したいときは、もう一度altを押しながらクリックすればOKです。
まとめ
レイヤーとは画像を構成するシートのようなもの
フォトショップでは今どのレイヤーを編集しているのか常に意識
基本的なレイヤーの操作(新規作成・移動・非表示・複製・結合・グループ化・・・)を覚えよう。
レイヤーにはいくつかの種類がある
・レイヤー効果で文字や画像に簡単に影をつけたり、境界線を加えて理出来る
・コントロール+クリック=クリックした部分のレイヤーをアクティブに
・alt+目をクリック=それ以外のすべてのレイヤーを非表示に
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