2017年5月11日、新潮社から出版となった長編小説『劇場』。前作『火花』とは出版社が違いますが、異例の初版30万部の刊行となりました。芥川賞作家ということあり、世間の反響を感じて高い期待があったことが分かります。
週間6.4万部を売り上げ、「オリコン週間“本”ランキングの総合部門にあたるBOOK部門」(5月22日付)で1位を獲得し、国内主要書店チェーンでも売上1位という記録を出しました。売上は好評ですが、新潮社の関係者からの評価はどうなのでしょうか。とても気になります。
劇場を読んだ感想。出版社の評価。
読書を楽しむ人のためのウェブサイト「Book Bang」で、「新潮」編集長の矢野優さんが新作『劇場』掲載の経緯についてインタビューがあります。『火花』(2015)が売れる前、又吉さんに「お笑い芸人が古井由吉を好きな理由」(2008)というエッセイをお願いした事が始まりでした。
その頃から「又吉さんの文学の受け取り方の深さや、それを表現する言葉の力に驚いた記憶があります。」と語っています。
この一文から又吉さんは、編集長から又吉直樹さんが小説家としての才能はあったことが窺えます。他に新潮社・出版部部長の中瀬ゆかりさんも『劇場』の作中で、劇作家とある女性が会話を応酬させている場面をあげ「素晴らしいんですよ、このセンスが!」絶賛しています。
さらにベテランの校閲者がゲラを読んだ後に「エンディングで泣いてしまった」というエピソードも。又吉直樹さんが書く文章表現力は、読者の心を揺さぶられるものがあるのでしょう。
まとめ
長編小説『劇場』は、又吉直樹さん独特の文章やストーリーに対し、読者の意見がハッキリ分かれています。しかし、新潮社の関係者の間では、良い評判ばかりです。又吉直樹さんの文才として高く評価し、『劇場』を通して伝えたかったことがよく理解出来たのだと思います。
世間の一般人と出版社で働く人と比べると、視点や考え方が違うのかもしれません。芥川賞作家として功績を残した『火花』がヒットするに至るまで、新潮社の出版関係者が他の作品に興味を示さなかったら長編小説『劇場』は生まれなかったと思います。2作目の影響で、これからどんな作品が公開されるのか期待が高まります!
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